摩擦圧接機の選定

摩擦圧接機は、圧接品の材質・形状・寸法および生産量などによって、適正な機種を選択しなければならない。摩擦圧接機の能力はある範囲に限定されるため、対象とする圧接品の抽出も併せて考える必要があります。

摩擦圧接機選定の要素:推力

機種選定の最大要素は推力です。最大推力のみでなく、最低推力も選定には必要な要素です。推力は、圧接品の仕様によって決定される圧接条件によって求められます。同一径であっても、材質によっては低推力でも圧接が可能ですが、SKH鋼材などの場合には、SS鋼材に比較して2~4倍の推力を必要とします。また、同一材質であっても、形状によって必要な推力は変化します。

摩擦圧接機選定の要素:主軸回転数

圧接品の径・形状および材質によって適正な周速度を求め、主軸の回転数を決定します。種類の多い圧接品の場合には、主軸電動機にインバータ制御・NC制御を適用するケースが多く、圧接品ごとに、回転数設定を変更することが可能となっています。しかし、圧接条件の中で回転数は通常適正範囲を広く設定できる要素であり、主に最低の周速度を維持できれば一般的には定速または2段変速で十分です。回転数は、中実の丸棒材に比較して中空のパイプ材の場合は高めに設定する必要があります。

摩擦圧接機選定の要素:把握能力

取付け可能な素材の大きさも選定の重要な要素です。単純な形状の丸棒材とパイプ材では同一の接合素材面積を有していても圧接品外径には大きな相違が生じます。把握可能な素材寸法、把握力および把握方式はその圧接品に適していなければなりません。圧接部分が一般的な状態であっても、把握部分が複雑な形状の圧接品である場合には、専用把握装置にすることも必要です。また、把握方式は、圧接品の精度・強度などに大きな影響を及ぼすため、その選定には特に注意が必要です。

摩擦圧接機選定の要素:自動化

生産性向上のため、自動化が必要になる場合があります。自動化にもいろいろな方式があり、搬出だけの自動化、前後工程を含む完全自動化、搬入・搬出ストッカーを有する自動化などです。これらは製品形状・種類・重量・生産数量などを考慮し、選定する必要があります。